とある自転車冒険サスペンス小説
2010-11-21記
小説「男たちは北へ」
東京から青森へ向けて自転車でツーリングする男が、ひょんなきっかけから政治的陰謀に巻き込まれながらものらりくらりかわして先へ進む、冒険&サスペンス小説です。
この小説、ツーリングをしたことがある人、特にツーリング先で妙に詩人ぽくなっちゃう人なら「あーわかるわかる」的な表現が随所にちりばめられていて、読みながらツーリングしている気分になります。
(なにを隠そう、私もそうです)
例えば
「県境。これを越すことが、これほど感動するものだとは思わなかった。県境。こんなものは地図ではただの線だ。(中略)地図上での国境は、ただの線だ。細い線。だが、この国境を自力で越えたことのある者だけが、この細い線の太さを知っている」
「国道は無表情のはずだが、ときに厳しく、ときに優しく、ときに色っぽい。走る者の気持ちを映すのであろうか」
「本当は少しでも早く青森を見たいのに、すぐには着きたくない。辛い思いをするのは嫌なのに、楽して行きたくない。なんだか矛盾してますね」
...等々。
普段、漠然と感じていることを、的確に文で表現してくれているように思います。
作者の故・風間一輝さんは、若い頃に東京-青森を実際に走った事があるそうで、その経験からこうした微妙な感情を良く捉えることが出来たのでしょう。
私も学生の時、東京-八戸は走ったことがあり、読んでいて懐かしくなる部分もあります。
ストーリーも、先が気になってつい読んじゃう系ですよ。興味のある方は読んでみてください。
荒天で乗れない日には、本の中で出かけるのも良いかもしれませんね。